国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は本日、調査報告書『日本のカフェ業界における使い捨てカップの現状』を発表しました。日本のカフェ業界で広く普及しているにもかかわらず、これまで明らかにされていなかった使い捨てカップの消費量を調査し、日本で初めてカフェチェーンごとに使い捨てカップ消費量を算出しました。その結果、大手の9つのチェーンだけでも、年間3億6,950万個の使い捨てカップを消費していることがわかりました。

この結果をふまえ、グリーンピースは特に使い捨てカップ消費量の多いスターバックス コーヒー ジャパン、タリーズコーヒー、プロントの3社に対して、使い捨てカップから脱却を求める新たな署名を立ち上げます(注1)。

<報告書のポイント>

  • 日本の大手カフェチェーン9社は、2020年に3億6,950万個、推定で2,808.8トン相当の使い捨てカップを排出した。
  • 9社のうち最も1年間の使い捨てカップ消費量が多かったのはスターバックスで、その数は他の8社の合計よりも多い2億3,170万個に上った。次に多かったのが7,250万個のタリーズコーヒーで、プロントは3,530万個だった(上記の図参照)。
  • スターバックス、タリーズコーヒー、プロントの3社は他社に比較して店内利用における使い捨てカップ率の高さも目立っている。
  • 9つのカフェチェーンすべてで、店内でのドリンクが繰り返し使えるマグやグラスでの提供になれば、1億5,860万個の使い捨てカップ(1,220トンのごみ)を削減できると推定される。

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グリーンピース・ジャパン プラスチック問題担当 大館弘昌

「今回の調査により、スターバックスの使い捨てカップ消費量の圧倒的な多さとリユース率の低さが見えてきました。同社は脱使い捨てを実現するリユースの取り組みについて前向きな姿勢を示し始めていますが、実際の取り組みは現段階においてはその消費量の大きさに見合っていません(注2)。同社には、野心的なリユース目標を日本で打ち出し、カップの大幅削減のために全国的なリユースの取り組みを進めることを改めて求めます。

今回の報告書がきっかけで、同様に使い捨てカップの排出量が多いタリーズコーヒーやプロントにおいても、紙やプラスチックカップ消費量の大幅削減に向けた、より積極的な取り組みが展開されることを期待します(注3)」

(注1)グリーンピース・ジャパン新署名「1日100万個の使い捨てコーヒーカップをなくしたい」(2022年7月13日発表)

(注2)グリーンピースは、2021年2月よりリユースの仕組みの早期導入などを求めて同社に対してキャンペーンを展開し、対話を続けています。

(注3)使い捨て容器包装削減のためにリサイクルよりもリユースやリフィルが優先されるべきです。詳しくはこちらの報告書をご覧ください。

(2022.7.14追記:調査報告書に一部修正がありましたので、報告書へのリンクが変わりました)

(2022.7.25追記:調査報告書の英語版リンクを追加しました)