2021年フェアトレード国内市場は大幅拡大 消費者と企業の注目高まる

収穫した農作物を抱える女性

Photo by ©︎Ranita Roy

認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンが、国内フェアトレード市場規模を発表。2021年は、前年と比較しフェアトレード認定製品の推計市場規模が20%も増加した1年となった。フェアトレードコーヒーやチョコレートの販売増加や、コットン製品、紅茶の売上上昇が背景とされる。

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2022.05.30
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前年比20%増 国内のフェアトレードの市場が急成長

収穫した農作物を持ち上げる女性

Photo by ©︎Ranita Roy

国内でフェアトレードの普及・啓発活動を行う認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンが、5月14日の世界フェアトレード・デーを機に最新の国内フェアトレード市場規模を発表した。

昨年2021年は、フェアトレード認証製品の推計市場規模が大幅に拡大した1年となった。2020年の131.3億円と比較すると20%も増加した157.8億円にまで伸びている。

この主な背景としては、コロナ禍を経た家庭用フェアトレードコーヒーの売上拡大(前年比+21%)、フェアトレードチョコレートの販売増加(前年比+10%)に加え、ノベルティなどのコットン製品や紅茶の売上上昇があるという。

さらに注目すべきは、小売主要大手各社がサステナビリティ戦略に力を入れ、プライベートブランドでフェアトレード商品化や品揃えの拡充を大きく加速させている動きがある点だ。過去、米国では小売大手のフェアトレード拡充をきっかけに市場が一気に拡大した経緯があり、日本でも同様の動きが期待されるという。

また近年のSDGsへの関心の高まりにより、Z世代を中心とした消費者からの支持も集まっている。「フェアトレードについて学校の授業で学んだ息子から教わった」「フェアトレードが貧困だけでなく環境にも貢献できると知って驚いた」「大切な人へのプレゼントや自分へのご褒美の商品が、誰かを傷つけてつくられたと思うと罪悪感がある」などの声が寄せられた。

地域環境の保全や貧困の改善につながることを保証する認証ラベルは、エシカルなライフスタイルに関心を寄せる消費者にとって、商品を選ぶ際の判断基準になるとして注目が集まっている。

欧米諸国の市場規模との格差 違いは消費者の意識の高さ

収穫した葉を仕分ける作業をする女性たち

Photo by ©︎Ranita Roy

日本における市場が広がっていることは明確であるが、欧米諸国と比べると依然として差は大きい。ドイツと日本の市場規模を比較すると、ドイツは2,374億円と日本の約18倍。一人当たりの年間購入額がもっとも大きい(2020年に市場統計を公表した国と比較)スイスと年間購入額を比較すると、スイスは11,267円と日本の約108倍だ。

欧米諸国で規模が大きい背景には、消費者の環境・社会課題に対する意識の高さ、フェアトレードの認知の高さがあり、企業が積極的にフェアトレードを取り入れる傾向にあることが挙げられる。

日本国内でも消費者のニーズに合わせ、自社のサプライチェーンの透明性向上や原材料の継続的な確保手段としてフェアトレードが企業から注目され、フェアトレード認証参加組織数も2021年は243社と前年に比べ10%増加している動きもあることから、今後の市場成長に期待したい。

問い合わせ先/認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン
https://www.fairtrade-jp.org/

※掲載している情報は、2022年5月30日時点のものです。

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