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本に触れる。
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2022-08-17

本だったノート – 古紙になるはずだった本からできたノート

 

 

このノートは、古紙回収にまわるはずだった本から生まれました

 

オンラインを中心として、全国から本の買取・販売を手がける株式会社バリューブックス。
1日に2万冊もの本が全国から届くものの、そのうちの半分、1万冊は買い取れずに古紙回収へとまわっています。

 

日々古紙回収に回っていく、大量の本たち

 

インターネットの市場で値段がつかないは、古紙となり、再生紙に生まれ変わる。

それはひとつの真っ当な循環ではあるけれど、「なにか、自分たちにもできることはないだろうか」という思いが募り、「本だったノート」が生まれました。

 

 

< 販売は、8/27 より順次バリューブックスの自社サイト、各社ECサイト、全国の書店で始まります。販売情報は追って本ページでご案内いたしますが、Amazon にて予約販売も行っております >

 

 

文字のかけらが残り、世界で1つの廃インクで刷られたノート

 

 

本だったノートの元となる紙である、本だった紙は多くの文庫本からできています。そんな本たちからできた紙には、 “本だった”記憶が残った活字が混ざっていることがあります。

その文字のカケラは、ノートとしての利便性だけを考えると不要な、むしろ邪魔かもしれませんが、本だったことに思いを馳せていただきながら、使ってもらえれば幸いです。

 

廃インクを活用したグラデーション印刷。”こんな印刷”は、手がけてくださった藤原印刷でも初めてとのこと

 

また、印刷に使用したインクはノベルティ製作時にも使った、 捨てられる予定であった「廃インク」を利用しました。印刷も出来る限りインキを無駄遣いしないこと、また偶然性を意識した方法です。

 

さまざまなグラデーションが映える、本だったノートの表紙カバー

 

従来は濃度合わせて本番の印刷をしますが、その濃度調整(テスト印刷)をやめました。一切合わせないことにより1枚ごとに濃度の変化が生まれ、意図できない自然なグラデーションとなります。テスト印刷も不要になるため、無駄な調整用紙が出ることも避けることができます。

 

カバーをはずすと、シンプルなデザインのノートとして使用可能

 

「本だったノート」は、再生紙のため一般的に流通しているノートよりは耐久性は低く、よれやすいなど、使い勝手が悪い部分もあるかと思います。

ただ、文字のカケラ、廃インクのグラデーションといった、1冊1冊が違う特色を持った世界で1つのノートであり、それらを個性として愛着を持って使っていただけたら嬉しいです。

 

ブックデザインを担当して下さった、太田真紀さんによるデザイン構想

 

 

「本だったノート」が生まれるまでの道のり

 

古紙回収へとまわるはずだった本が、新たにノートとして生まれ変わるまでには、長い道のりがありました。

その様子は、下記の記事からご覧いただけます。

 

本が命を終えるとき —古紙回収のゆくえを追う—

 

古紙回収へとまわっていった本は、どのようにその命を終えるのか。
日々、たくさんの本を廃棄せざるを得ない古本屋の自分たちは、そのことをちゃんと知るべきではないのか。

そんな思いで、バリューブックスが拠点を置く長野県から、古紙が最終的に到着する静岡の製紙工場まで、古紙回収された本を追いかけていきました。

 

 

「本だったノート」ができるまで

 

「本だったノート」を実現するためには、どういった会社に協力をお願いすればよいのか、どのように制作すればよいのか。

そんなこれまでの道のりをまとめた記事です。

 

 

【年間365万冊の古紙回収に回る本を活かしたい】
「値段がつかなかった本」でノートを制作します。

 

製品化に至るまでには、クラウドファンディングでの多くの方のご支援がありました。

みなさまのおかげで、こうしてより多くの方に「本だったノート」を届けることができています。

 

 

製品情報・販売先について

 

 

◾️「本だったノート」製品詳細

発行:バリューブックス・パブリッシング
定価:880円(税込)
仕様:A6判、並製、128ページ
ISBN:978-4-910865-01-0
Cコード:C0100

抄造:山陽製紙
印刷:藤原印刷
ブックデザイン:太田真紀

 

■ 購入先について

バリューブックスの自社サイト、各社ECサイト、全国の一部書店で購入可能です。取扱書店さまはこちらのリンクのページ下部より確認いただけます。

「本だったノート」バリューブックス販売リンク

「本だったノート」amazon販売リンク

 

 

本だった「紙」を一緒に活用できる企業を探しています

 

 

「本だったノート」の制作・販売が始まった今でも、古紙回収にまわっていく本は少なくありません。

私たちは、ノートに限らず、さまざまな形で本だった「紙」を活用し、捨てざるを得ない本に新しい命を吹き込みたいと思っています。

本だった「紙」を用いた商品開発、活用にご興味のある企業の方は、ぜひお気軽に下記のフォームからご連絡いただければ幸いです。

 

本だったノート・本だった紙の問い合わせ

(「お問い合わせの種類」という項目では、「その他のお問い合わせ」をご選択ください)

posted by バリューブックス 編集部

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